タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 俺の回答を聞いた彼女は、子どもみたいに唇を尖らせて「ちぇー」と言いながら、隣に座り直した。

 その表情に。
 強張っていた肩の力が、ほんの少しだけ緩んだ。

 唇を尖らせて、『ちぇー』。
 これは大丈夫なやつ、のはずだ。

 球技祭の朝は、笑っていた。


 ――『好きな子できたら、ちゃんと教えてね? 私たち、別れなきゃいけないしー』


 冷たい微笑みを見せながら、そう言った。

 彼女は、本気で怒っているとき、ああいう顔をするのだと知った。