タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「ねえ、慎! お願いっ!」

「いや、それは、ちょっと……」

 夏休みを目前に控えた、日曜の昼下がり。

 俺の部屋で、二人きりで。
 藤沢から、『あること』を前のめりに懇願されている。

「でもその日、誕生日だよっ!?」

「……ってか、まずちょっと離れろって!?」

 もはや押し倒す勢いで、迫ってきている。
 体重を支える腕が、震えてきた。

 至近距離にあるのは、わざとらしく、うるうるとさせた瞳。

(うっ……)

 思わず揺らぎそうになるのを、こらえながら。

「…………無理」

 そう、絞り出した。