タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「えっ。大胆……」

 両手を口元に添え、余韻を噛みしめる。

「……ちょっとは動揺しろよ」

 ぼそっ、と言い捨てると、彼は歩き始めた。

 その後ろを、追いかける。
 耳が、真っ赤だ。

「ドキドキ、してるよ?」

「…………」

「触って、たしかめてみる?」

「……さ、わるわけ、ねーだろ! アホかっ」

 振り向いて、裏返りそうな声でツッコまれた。

 その可愛さたるや。
 数メートル距離を開けて教室へ戻るまで、緩みきった頬がなかなか元に戻らなかった。