タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 慎之介と付き合ってすぐの頃。
 教室で、彼を囲む友達が騒いでいた。

「南が好きなんは、『スポーティ、ボブ、爽やか』だろ?」

「なんか夢見がちって感じだな、おまえ!」


 それは――彼の『タイプ』の話だった。


 ガーン。

(私、ひとつも当てはまってない……)

 ダンス部は運動部というより文化系だし、髪はロングが好きだし、しつこい。

 慎之介は、ややこちらを気にするような素振りで、「あんなん適当に言っただけだって!」と弁明していたけれど。


 今、目の前にいる、若ちゃんに。
 昨日、慎之介がものすごく楽しそうに話していた若ちゃんに。

 そのタイプが――ぴたりと当てはまっているのだ。


「ひな子? どうした?」

 フリーズする私を、若ちゃんは不思議そうに見ていた。