タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 クラス替え前の、三月。
 騒がしいファミレスで、男子だけのお別れ会をしていた。

「新山って、なんで藤沢さんと別れたん?」

 男子のひとりが、無遠慮に尋ねる。

(……っ)

 手に持っていたグラスをこぼしそうになった。

 俺が、藤沢と内緒で付き合いはじめて、一か月が経とうとしていた頃だった。

「知らね。振られた側だし」

(…………)

 別れの経緯は、彼女からも詳しくは聞いていなかった。

 新山はドリアを頬張りながら、「でも、まあ」と続けた。


「あいつ、追いかけたいタイプだから、付き合うと冷めるっぽいよ」


 背中に寒気が走った。