タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「……え、あ、うん」

 動揺が出ないように、必死で答える。

「女子バレー、勝ち進んでたよな」

「あ、そうだな」

 新山はくるっと踵を返し、「じゃ、またな」と自分の教室に戻っていった。



 あいつ——新山は、藤沢の元彼だ。


 俺は去年、二人と同じクラスだった。
 付き合ったことも、別れたことも、教室にいれば勝手に耳に入ってきた。

 言い訳みたいで、しょうもないけれど。
 新山から聞いた『ある話』は、俺がいまだに自分の気持ちを言葉にできない理由のひとつだ。