タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 そうしてあっという間に、球技祭一日目を迎えた。

 体育館に向かいながら、隣であずさがぶつぶつ言っている。

「応援、するからね」

「…………」

 背中をポンと叩いたら、恨めしげに見られた。
 あずさはジャンケンに負けて、ひとりで女子卓球に出るのだ。

「いーよね、ひな子は。仲間がいて……」

 泣き真似までされる。

「たしかに、ひとりは心細いけどさ。チームプレーはチームプレーで、迷惑かけるかもとか、別の心配があるよ」

「じゃあ交換して!?」

「私、一回もサーブ入れられないかもしれない。ムリ」

「うわーん! 私もだよおっ!」

 やいのやいの言っていたら、角から救世主が現れた。

「あーっ、先生。いいところに! ナーバスなあずさを励ましてやってください」

「!!! 涌井せんせ〜!」

 擦り寄っていったあずさを、片手でさっと制するのは。
 私たちの担任で、あずさの『推し』、涌井だ。