タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 テストが無事に終わり、昼休みに女子バレーのチームで集まった。
 本番まであと数日だけれど、今日が初めての練習だ。

 夏の体育館は、湿気が籠もっていて、すぐに汗が滲む。

「ひな子!」

 掛け声とともに、ボールが勢いよく飛んでくる。

「はあい!」

 スカッ。

「あれっ」

「はは! ドンマーイ! もうちょっと下、腕でお皿つくる感じ!」

 数メートル先から明るい声をかけてくれるのは、同じクラスでバレー部の若(わか)ちゃん。
 チームに二人いる経験者のうちの一人で、みんなを頼もしく引っ張ってくれている。

 私は、球技が苦手だ。
 どれだけボールに集中していても、綺麗に空振る。

 バレー部やバスケ部の子は、ボールと友達みたいだ。
 というか、ボールのほうから近づいてきてくれているようにさえ見える。

 足を引っ張ったらどうしよう、とは思うけれど。
 言われたとおりにやってみて、たまにうまくいくと嬉しい。