タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 慎之介の部屋で、期末テストの勉強をしている。

 テストそのものは憂鬱だけれど、部活が休みで二人きりで過ごせるのは、幸せでしかない。

 お兄さんが昔使っていたという、ちょっとガタつく折り畳みのローテーブル。
 その上で、私が解いた古文の問題集を、慎之介が丸つけしていく。

 丸が増えるたび、赤ペンの動きが遅くなっていく。
 それを隣で、にこにこしながら見つめていた。

「……全問正解」

 息を吐くように、小さく告げられる。

「やったあー!」

 バンザイして、すぐに近寄った。


「じゃあ、『ご褒美』っ!」


 そう言って、目を閉じるものの。
 薄く開いて、見ていた。

「…………」

 やや不服そうにしながらも、約束を果たそうと近づいた慎之介は。
 一瞬重ねるだけのキスを、くれた。