タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 それから、しばらくして――。

 放課後、部活のない日。
 学校から俺の家まで、藤沢と一緒に帰った。

 彼女がどうしてもとねだるから、家の最寄り駅から手を繋いで歩いた。
 バイトへ向かう姉とすれ違ってしまい、にやにやされた。


 部屋に着くと、いつものようにベッドの縁を背もたれにして、並んで座る。
 喋ったり、漫画を読んだり、学校の課題をやったり。
 そのあいだ、ずっとべったりだ。

 彼女が好きだという曲を、スマホから流していたら。
 ふと、会話が途切れた。

「ねえ、慎」

 トン、と肩にもたれかかられる。

「……ん?」


「好き」


「…………」

 俺を覗き込んだ彼女は「えへへ」と満足そうにした。

(どんな顔になってんだ、俺……)

 しかし。

「慎はー?」

 やはり、言葉でも聞きたいらしく。
 瞳をきらきらさせながら、待っている。

「……うん」

 短く返すと、唇を尖らせてきた。

(…………)

 その顔が、ただ愛しすぎて。

(あー、もう……)


「…………好き」


 どうしても照れくさくて目を逸らしてしまったけれど、言った。