タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 夜、自分の部屋で、ある人に電話をかけた。

『……はい』

「あ……もしもし」

 その相手は――新山だ。

 帰りの電車に乗っていたとき『今日、話せる?』とメッセージが届いていて。
 会うのではなく、電話にしてもらった。

 少しのあいだ、電話越しに沈黙が流れたあと。

『好きな人って、南だったんだな』

 そう、呟かれた。

「あ……うん」

『へー……』

 また、しばらく黙る。

 そして。


『てか……なんで南なんだよ』


「…………」 

 今日、いろんな人から同じことを言われたけれど。
 結構、モヤっとする。

 でも、続けられたのは、少し意外な言葉だった。


『あいつ……めっちゃいいやつじゃん』