タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 会計を終え、お店を出ると。
 商店街の奥に、新山の姿が見えた。

 目が合った、その瞬間。
 すっと逸らされた。

 私たちのことを、もう誰かに聞いたのかもしれない。


「新山?」


 慎之介の、低い声。

「……えっ?」

 私の視線の先をたどり、気づいたようだった。

「昨日、自販機のところで……何話してたの」

「あー、えっと……」

「…………」

「『ヨリ戻さない?』って……言われて」

 迷いながらも伝えると、「は?」と眉を思いきり細められた。

「あ、断ったんだけど。去り際に『考えといて』って言われたから……もう一回、話しておく」

「…………」

 慎之介は、フイッと先に歩き出してしまった。

「あっ、待って……!」

「…………」

「慎ってばー……」

 すがるように声をかけると。
 彼は、ゆっくりと振り向いた。

 そして。


「……ごめん。俺、結構心狭い」


 そう言った顔は、思いきり拗ねていた。