「……えっ?」
唐突に切り出された話題に、彼は当然、驚いている。
「そこからずっと、仲悪くて」
「……うん」
でも、静かに続きを聞く姿勢をとってくれた。
「修学旅行に出かける前、『ちゃんと話してくれないなら、おばあちゃんちの子になる』って、言い捨ててきたんだ」
「……そっか」
ちらり、と見上げる。
「引いた……?」
「え? なんで」
「重いな、とか……」
慎之介は、表情を変えない。
「親のことで、なんで藤沢に対して引くの」
そして。
「辛いときは……教えて」
小さく、そう言ってくれた。
隠さなくてもいいんだ、と思えたら。
胸のあたりが、すうっと軽くなった。



