タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 一年の夏から秋までは、当時同じクラスだった他の男の子と付き合っていた。

 告白してくれたのは、彼で。
 別れてほしいと言ったのは、私。

 うまく理由を説明できないまま、ただ謝った。
 彼は最後まで、納得していない顔をしていた。

 それから、しばらくして。
 また次の季節へ差し掛かろうとしていた、ある日。

 部活を終えると、雨が降り始めていた。
 置き傘があることを思い出し、教室の手前まで来て、足を止めた。

 中から、声がした。

「――だからさあ、……」

 慎重に覗いてみると。
 元彼と、同じく野球部のメンバーがいた。

「たった、三か月だぞ?」

 自嘲混じりの声だった。

 内容のすべてが、聞こえたわけではないけれど。
 私との話をしている、かもしれない。