タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 結局、俺たちは。
 他の先生たちもいる小さな部屋で、涌井から(形だけの)お叱りを二十分ほど受けた。

「せっかくの修学旅行なんですから、喧嘩はほどほどに」

「……ハイ」
「……ハイ」

「あと、消灯時間は守ってください。教師側も、早く寝たいんです」

「……ハイ」
「……ハイ」

(『寝たい』って……本音出てるぞ……)


 さっき一本だけ買えたマンゴージュース。
 説教が終わる頃には、ペットボトルの表面にじんわりと水滴が浮かんでいた。

 それを手に持ち、部屋を出る。
 先生たちに見張られながら、それぞれ自分の部屋のほうへ向かわされた。

 別れ際、ちらっと藤沢を見たけれど。
 最後まで一度も目が合わなかった。