タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「……なんで、そうなるんだよ」

「…………」

「そりゃあ……藤沢を誘うよ。『彼女』なんだから……」


 俺の言葉を聞いた彼女は。

 噛み締めていた唇を、開いた。


「『彼女』っていうかたちにこだわってるだけなら……そろそろ別れてあげよっか?」


 一瞬。

 何を言われたのか、わからなかった。


「『あげる』って……何?」

「…………」

「勝手に決めんなよ!」

 思わず、大きな声を出してしまった。

「……っ」

 藤沢が何かを言い返そうとした、そのとき。

 二人で、ほぼ同時に気づく。
 自販機と反対側のほうから聞こえる足音に。