タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 やや小走りで、階段を下りていく。

 自販機のある一階の、すぐ手前まで来たとき。


「あははっ」


 軽やかな笑い声が聞こえた。

 藤沢、だ。

 静かに身を乗り出し、覗くと。
 そこには――新山もいた。

(笑ってる……)

 久しぶりに見る、彼女の自然な笑顔。

「え、なに笑ってんの……」

「あっ……ごめん」

 普通に、会話している。

 なんだか、付き合っていたときの二人が思い出されて。
 胸に鈍い痛みを感じた。

 そして。


「私と、そっくりだったから……」


 その言葉に、固まった。