「すぐ戻るよ」
例の微笑みを見せた藤沢は、部屋を出ていった。
(…………)
相変わらず、男らしく決められない俺は。
少し経ってから、立ち上がった。
「? 南、どした?」
カードを配る近藤が、不思議そうにする。
「……俺も買ってくる」
「何を?」
「マンゴージュース……とか?」
適当に言ったので、疑問系になってしまった。
ツッコまれる前に、部屋の出口へ向かおうとしたら。
「俺もほしいかもー」
「私もっ!」
次々と手を挙げられ、全部で五本買ってくることになった。
「一人で持つの大変だろうし、ひな子に手伝ってもらいなよ〜」
俺たちの関係を把握している、立花さん。
「先生に見つからんように、気をつけろよ〜」
俺が藤沢に片思いしていると思っている、蓮沼。
二人の意味深な笑みに、見送られる。
「…………」
咳払いをして、廊下に出た。



