タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 そのとき。
 ガチャ、とドアが開いた。

「いやいやいや。暑いねーオキナワ」

 騒がしく入ってきたのは、近藤だ。
 その後ろから、同室の数人が続いてくる。

「それより。皆の衆、聞けっ」

 近藤は、やけに得意げに切り出した。

「明日の夜の女子部屋ツアー、予約確保したぞ」

「女子部屋ツアーってなんだよ」

「そのまんまだよ。女子の部屋に、遊びにいくの」

「先生にバレないん?」

「そこはどうにかして、掻い潜る」

 そして「その行き先は〜?」などと、数秒間もったいぶったあと。


「藤沢さんたちの部屋でーっす!」


(…………)

「おまえら、俺に感謝しまくれ!」

 他の男子たちは「おおおっ!」と盛り上がった。

 横目で、蓮沼を確認する。

「おー……それは……でかしたな……」

 明らかに喜びを隠せていない顔。
 藤沢の部屋には、立花さんもいるからだ。

 近藤は「だろっ」と威張りながら、俺を見た。

「南も喜ぶかなと思って。若月さんいるし」

「…………」

(頼むから、余計なこと言うな……)

(今、ただでさえ、繊細な時期なんだ……っ!)

 昼間の、藤沢からのメッセージの温度感が、思い出される。

 俺の事情を知ったばかりの蓮沼は「なんか……大変そーだな」と苦笑いしていた。