タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 大きな機体が、ゆっくりと滑走路を進んでいく。

「うわ、動いた!」
「無理! 怖いんだけど!」

 初めて飛行機に乗る子もいるらしく、周囲はざわざわしていた。

 やがて。
 ぐん、と身体が座席に押しつけられ、浮遊感に包まれる。

 無事に離陸すると、どこからともなく拍手が起こった。

 沖縄へ行くのは、私は二度目。
 小学校低学年の頃、家族三人で行ったことがある。

 詳しいことは、覚えていないけれど。
 父も母も、そのときはまだ笑っていた気がする。

(…………)

 窓の外を見る。

 地上の街並みが遠ざかり、雲を抜けると。
 そこには、澄み切った青空が広がっていた。


 シートベルトサインが消えるや否や。
 あずさは早速、隣でお菓子を食べ始めた。

「ひな子、いる?」

「んー。大丈夫」

「そう?」

 私はただ、ぼんやりと空を眺めていた。