「ほんと?」
あずさは、静かに頷いた。
「それで……返事は?」
「……まだ、してない」
少し困ったように、唇を尖らせている。
「『ちょっと考えてから返事してほしい』とか言われて……」
「なるほど……」
「…………」
「じゃあ、考えないとね」
私がそう言うと、あずさは「わあっ」と顔を覆った。
「やだー! 私、まだ涌井先生にキャーキャー言ってたいもんー!」
「はいっ?」
どういうことよ、と思ったけれど。
数秒後。
(蓮沼くんとのことを考えたら、涌井にキャーキャー言えなくなる。それって、つまり……)
そう、引っかかった。
でも一旦は、何も言わないでおいた。



