タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 母の後に続いて、家に入った。

 ガチャン、とドアが閉まる。

「…………」

「…………」

 慎之介に、困った顔をさせてしまった。

(嫌な思い、させちゃったかな)

(面倒な子と付き合ったって、思われてないかな)

 いろいろな不安が、駆けめぐる。

(せっかく、すっごく楽しかったのに)

 彼の笑顔を思い出すとともに。
 玄関に離れて置かれた、両親の靴が目に入る。

(…………)

 無造作に靴を脱いでいたら。

「……ああいうの、よくないと思うわよ」

 母が、溜息混じりに切り出してきた。