タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「あーっ。マジで、やばかったー……」

 ライブが終わると、賑やかな街はすっかり夜を迎えていた。

 興奮冷めやらぬまま。
 会場のすぐ近くにあった、小さな公園へ入った。

 木のベンチへ腰を下ろし、はあっと息を吐く。

「語彙力なくて、もどかしー」

 藤沢は「ふふ」とこぼした。

「慎の好きなもの知れて、嬉しい。私も、すごい楽しかった!」

 その無邪気な笑顔に、安堵する。

 最近の藤沢は、イライラしていそうなときが多かった。
 それが、ほとんど俺のせいなのはわかっている。

 だから、不甲斐なかった。