タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 なんとか二つのコーラを手に入れて。
 人とぶつかってこぼさないよう、慎重に戻る。

 すると。

「…………」

 少し離れた壁際に立つ藤沢は、無機質な笑顔を浮かべていた。
 その目の前には――知らない男が二人。


(…………は? ちょ、ちょ、ちょ……っ!)


 急いで、駆け寄る。

「あっ。慎〜」

 俺に気づいた彼女は、わざとらしく甘い声を出した。

「……お待たせ」

 そう言いながら男たちに視線を向けると、すぐに去っていった。

 その背中を見送ってから。

「え、なに。ナンパ!?」

 藤沢は「えー?」と、あっけからんとしている。

「『誰と来てるの?』とか、聞かれただけ」

「……ナンパじゃん!」

「そうかな?」

「そうだろ……」

 藤沢は「でも」と、嬉しそうに腕を組んできた。


「『大好きな彼氏と来てまーす』って、答えたんだあ」


「…………」

「コーラ、ありがと」

 そう言って、俺の手からそっと抜き取った。