タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 部活を終え、汗だくのユニフォームからシャツに着替えるあいだ。
 そんなことを思い出していた。

 そして、部活もクラスも同じである蓮沼(はすぬま)と校門へ向かう。

「おっ! あれ、ダンス部じゃね」

 五人ほどの女子グループ。
 そこには――『彼女』も、いた。

 蓮沼が、浮かれたトーンで「おつかれー」と声をかける。

「はっすー、南くん。おつかれー」

 立花さんが、ラフに返す。
 藤沢も、俺たちに向かってにっこりと微笑んだ。

「マジあっちーな」

「グラウンド、やばそうだね。廊下も暑いけど」

 蓮沼と立花さんが、前で話し始める。

 俺は黙ったまま、他の女子と喋っている藤沢の気配を、横に感じていた。