タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 放課後、慎之介の部屋。

 私は勉強机の椅子に座り、黙々と漫画を読んでいた。

「おい」

「…………」

「藤沢」

「なにー?」

「…………」

 普段なら、二人きりになった瞬間、くっついている。

 肩にもたれたり。
 膝の上に乗ったり。
 抱きついたり。

 今日はまだ、そのどれもしていない。

 慎之介は、いつも二人で並んで座る場所に一人で腰を下ろし、さっきからちょくちょく声をかけてきている。

「……機嫌悪い?」

「ううん?」

「悪くね?」

「ふつうだよ」

「…………」