タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 こんなことを頼むなんて、感じが悪いかもしれない。
 そう、心配になったけれど。

「……わかった! いいよっ」

 笑顔であっさりと了承してくれた。

「えっと。じゃあ、あずさにもうまいこと言っておかなきゃ」

 でも、少しだけ、無理をしているように見えた。

 だから。

「……その『立花さん』には、言ってもいいよ」

「えっ……いいの?」

「仲、いいんでしょ」

 俺の言葉を聞いた彼女は、ものすごく嬉しそうにする。

「……ありがとうっ。やさしい!」

 そして遠慮なく、手をぎゅっと握ってきた。

「!?」

 柔らかい。

 肩に変な力が入る。

「へへ。これから、よろしくね」

「あ……うん。よろしく……」

 こうして、わけもわからないまま、初めての恋人ができたのだった。