タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 帰りのホームルーム。

「はい。じゃあ今日は、早めに終わりにするんで」

 教卓の前に立つ涌井が、いつもの眠そうな声で切り出す。

「残りの時間で、修学旅行の班を決めてください。男女三人ずつ、計六人」

 その瞬間。
 教室中が、ざわっと騒がしくなった。

 三泊四日の修学旅行。行き先は沖縄。
 班行動では、大型タクシーを借りて自由に観光したりする。

 つまり、超重要な班決めだ。

「皆さん、もう大人ですから。平和に決めてください」

 話しながら、一枚の紙を無造作に置く。

「決まったら、ここにメンバーを書いといてください」

 誰も涌井のほうを見ていない。

「……聞いてますー?」

 涌井は半ば呆れたように、教室を出ていった。