タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「ひな子ー!」

 机の前に、あずさが勢いよく現れた。

「やばいっ。次の授業、たぶん当たる! ここって、これで合ってる?」

 ノートを開いて見せてくる。

「たぶん」

 自分のノートを開き、指差した。

 答えを確認し、ひと安心したあずさは、私に視線を移す。

「荒れてる?」

「…………」

 慎之介に視線を向けながら、尋ねる。

「……慎って、変わった?」

「え?」

「なんか最近、女の子からよく話しかけられてるなあって」

 斜め上を見ながら「あー」と、少し考えている。

「ちょっとだけ、大人っぽくなった感じはあるかも?」

「『大人っぽく』……」

「ひな子と順調だからじゃない?」

 そう言って、にやりと笑った。


(『順調』、かあ)