タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 藤沢の手が、ぴたりと止まる。

「え……?」

 大きな瞳を、さらに丸くしている。

「…………」

「…………」

 時間が止まったように、見つめ合っていたあと。
 そっと尋ねられた。


「……好きに、なってくれたの?」


「え」

 心臓が、跳ねる。

「……好きになったっていうか……」

 そこで、言葉が止まった。

『好きになった』ではなく。
 もう結構、最初のほうから好きなんだけど――。

「えっと……」

(こんなところで、言うべきなのか!?)

 自分から切り出しておいて、焦り始める。

「…………」

 しばらく、黙ってしまった。

 すると。

 藤沢は、ふっと笑った。


「無理、しなくていいよ」