タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 何曲か続いたあと。
 雰囲気が、がらりと変わった。

 重たい低音の響く、ヒップホップの曲。

 藤沢が、またステージに現れた。

 振り付けも構成も、自分たちで考えているらしい。
 すごい、としか言えない。

 俺なんて、劇中で踊る簡単な振りを覚えるだけでも、かなり苦労した。
 振りに踊らされている感も、どうしても拭えない。

 だけど、彼女は。
 音に合わせて踊っているというよりも、身体で音楽そのものを奏でているみたいだった。

 ただただ、見惚れる。

「かわいー」

 隣で、蓮沼が呟いた。

「……うん」

「えっ?」

「……え?」

 無意識で返してしまったことに気づき、慌てると。
 蓮沼は目を丸くしていた。

「慎之介が同意してくんの、珍しいな!」

(まずい……っ)

「ていうか、顔赤くね?」

「……っ」

 思わず、肩をどつく。

「いってえ! なんで俺がどつかれんだよ!」

(まずい、本当に……)

 最近、いろいろと堪えきれなくなってきている。