タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「……練習は?」

 向こうで、劇に出る男子たちが、台詞と動きを合わせている。

「あれ、俺は出ないシーンだから」

「ふうん……」

 差し出された手に、ガムテープを渡す。
 私が苦戦していたそれを、慎之介は簡単にビッ、と切った。

 そのまま、黙々と補強していく。

「私ひとりでも、平気だよ」

 自分でもわかるくらい、そっけない声になった。

「…………」

 慎之介の手が止まる。

 それから、周りには聞こえないくらいの声で。

「若月さんのこと……気にしてる?」

 そう、聞かれた。