タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


(…………)

 ――『特別』

 その言葉を、受け止めながら。
 勇気を出して、尋ねた。


「……じゃあ。新山とは、キスしてないってこと」


 目の前の瞳が、珍しく少し揺れた。

 それを見た俺の心も、揺れる。

「うーん……」

 彼女は、しばらく迷っていたあと、答えた。


「軽いやつ、一回だけだよ」


「……へえ」

 自分から聞いておきながら。
 胸が、痛いほど苦しくなった。

 つい、ねだられてもいないのに、強く抱きしめる。

 そして、自分からキスをした。

 彼女は、微かに驚いたようだったけれど。
 すぐに、たくさん応えてきた。