タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


(……いやいやいや! 今、真剣に心配してたんだろーが!)

 うつ伏せになり、畳に頭をゴンッと打ちつけた。

「なに? うるさい」

 横にいた姉が、気怠げにツッコんでくる。

「どしたん? 慎之介。青春の悩み?」

 そして、そのまた横にいた大学生の従兄弟が、うちわで顔を扇ぎながら軽いトーンで聞いてきた。

「……え?」

 図星を突かれ、動揺してしまう。
 その反応を見た姉が、にやにやし始める。

「慎之介、めっちゃ可愛い彼女いるんだよ〜」

「えっ、マジ!?」

(うわ、バラされたし……)

「写真見せろ!」

「…………」

 渋々、スマホの中にある一枚を見せる。
 あの夏祭りのあと、公園でねだられ、並んで撮ったもの。

「可愛い! おまえ、やるなあっ! 学校で騒がれるだろ?」

 従兄弟は、肘で俺をぐいぐい押しながら、聞いてくる。

「……学校では、言ってない」

 姉が「はあ!?」と大きな声を上げた。
 内緒にしていることについては、言っていなかったのだ。