タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 嘘はつきたくないけど、重すぎる話はしたくない。
 そう考えてから、口を開く。

「……うちの親、ちょっと仲悪いってだけ。泣いたりして、ごめんね」

「いいよ。そんなん」

「…………」

「何か……俺にできることある?」

 ただ、私を心配してくれている瞳。

(やさしいな)

 ゆっくりと、彼を見上げた。


「じゃあ……キスして?」


「……えっ?」

 目を丸くしている。

 何秒か、固まっていたけれど。
 やがて、恥ずかしそうにしながらも、そっと肩に手を置き、してくれた。

「もっと」

「……え!?」

「こっち、きて」

 彼の好意に付け込んで、ベッドのほうに連れていく。

 そして、ふわふわの布団の上に、二人で横になった。

 至近距離で見つめる。
 彼はいつものように、耳を赤く染めていた。

 それを見て、気持ちが落ち着いていく。

「……いっぱい、して」

「……ちょっと、ここはまずくね……?」


「慎がキスしてくれたら、私、しあわせになるから」


「…………」

 やさしい彼は、私のずるいおねだりに、応えてくれたのだった。