タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 昼が過ぎると、俺も彼女も部活の時間になった。

 更衣室で着替えながら、メッセージを送った。

『会って話したいから、今日、家行ってもいい?』

 暑いグラウンドで汗と砂埃まみれになって、余計な考えを払うように、ボールを追う。

 彼女の傷ついた顔が、何度も浮かぶ。

 そして、思った。

 謝るだけじゃなくて。
 何かを――ちゃんと、伝えないと。

 もうあんな顔を、させなくて済むように。

 ◇

 部活が終わり、家に着いた頃。
 返信がきていた。

 開いて、手が止まった。


『いいよ! 今日、親いないから、公園とかじゃなくて家の中で話せるし』


(『親いない』……)

 彼女は、俺とのことを親に話していないらしく、家の中にお邪魔したことはない。

 変な緊張が、走るものの。

(……おい、何考えてんだよ。真面目に話するだけだろーが)

 そう首を振り、出かける準備を始めた。