タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


「…………」

「…………」

「……は? 俺?」

 思ったことが、そのまま口からこぼれた。

 藤沢さんは、こくりと頷き、俯く。

(……マジかよ?)

 正直、まったく予想していなかった。

 最近、よく話しかけてくるな、とか。
 よく笑うな、とか。

 笑った顔、可愛いな――とか。

 そんなふうに思ったことは、ある。

 でも。

「好きな子とか、いる……?」

 不安そうに、ちらりと見上げられる。

「え? あ、いない、けど……」

「私、ダメ、かな……」

「いや、ダメとかじゃ、ないんだけど……」

(何言ってんだ、俺)

「南くんにとって、私って……ナシ?」

「あー……うーん……」

 頭が全然追いつかない。

 女子から告白されたことなんて、ない。
 どう返せばいいのかも分からないまま、出てきたのは、たぶん、一番言わなくていい言葉だった。


「タイプとは……違うね」


 言った瞬間、やばいと思った。

 藤沢さんを見る。

『ガーン』

 そんな音が聞こえてきそうな顔をしていた。