タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 一度も目が合わないまま、教室の端でダンスの練習が始まった。

 藤沢と立花さんが振り付けを考えてくれて、俺や蓮沼を含めた男子十人ほどに、教えてくれる。

「手を右に出したあと、回しながら、こっちにステップを踏む。はいっ。ワン、ツー、スリー、フォー」

(????)

「立花せんせーっ! 全然できねっす!」

 蓮沼が助けを求める。
 俺も、頭の中がちんぷんかんぷんだ。

 シンプルな振り付けのはずなのに。
 お手本として踊ってくれる彼女たちとは、程遠い動きになってしまう。
 手と足が、同じ側に出てしまうのはなぜだ。

「藤沢さん、こうっ!?」

 他の男子が、彼女に尋ねている。

「んーとね」

 優しい声で教えてやっていた。