タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。

 ◇

 教室に着くと、藤沢はすでにいた。

 俺たちのクラスは、男たちが主人公のミニミュージカルをやる。
 藤沢はこちらに背を向け、その衣装用の布を切りながら女子たちと喋っていた。

 彼女の隣にいる立花さんが、俺に気づき、耳打ちしている。

『南くん、来たよ?』

 みたいな感じで。

 でも――藤沢はこちらを振り向かない。

 暑い日差しの中を歩いてきたはずなのに、冷たい汗が額から垂れてくる。