タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


 スマホのなかった、五日間の合宿。

 男どもの下世話な話ばかり聞いているうちに。
 そして、彼女とやり取りができないうちに。

 不毛な想像ばかり、してしまって。

「新山とも、そういうことしてたの?」

 堪えかねて、聞いてしまった。


「してないし、慎と新山は、全然違うよ……」


 そう言った顔は、拗ねた顔でも、冷たい微笑みでもなかった。

 明確に傷つけたことが、わかった。

 それなのに。

 俺の頭の中を駆け巡るのは、今の失言をどう挽回するかで。
 この期に及んで保身に走るのかと、自己嫌悪に陥る。

「……帰るね」

 一番やるべきだったのは、彼女に与えてしまった傷を、少しでも取り除くことだったのに。

 追えなかった。

 これまでもらってきた愛情表現を思い出すたび、胸が抉られたように痛む。

 なんと謝れば、足りるだろう。
 全然、眠れなかった。