タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。


(なんだ?)

 よくわからないまま、待っていると。
 今度はこちら側の階段から、急ぐ足音が近づいてきた。

 そのまま目の前まで走ってきて、息を整えながらスクールバッグを開ける。
 ガサゴソ、と中を探ったかと思うと、両手であるものを差し出してきた。

(え?)

 それは、淡いピンクオレンジの、小さな箱だった。

 いかにも、バレンタイン――という感じの。

「あの……っ」

 彼女は、ぎゅっと唇を結んだあと、はっきりと言った。


「……好きです!」


(ん?)

「もしも今日、二人きりになれたら……これ渡して、言おうと思ってたの」

(俺……今、何を言われてる?)

 状況を理解できないまま、心拍のほうは急激にスピードを上げていく。

 もう一度息を吸った彼女は、力強く言った。


「付き合ってほしいです!」