71歳の恋愛小説家

加奈子が一番感激したのは、クロアチアのドゥブロヴニクの旧市街だ。

東洋の真珠と呼ばれる所で旧市街は城壁に囲まれた街で、旧市街の城壁の上を散策できるのだ。

城壁の内側の家の中では子供たちがいて手を振ってくれたり、主婦が洗濯物を干していたり普通に生活が営まれている。

城壁の外側は海に面している部分もあった。

赤い屋根の街並みと青い海のコントラストが、何とも言えず美しかった。

城壁には小さな穴が開いている所もありそこから見張りをしたり敵が来たら銃で応戦するのだそうだ。

アンテイークの店も沢山あった。広場では市も開かれていた。

アンテイークに詳しくないので高いものは買えないが、市に出ていた店で昔のガラス瓶で美しいものを何個か買った。

香水瓶だったり昔の薬瓶だったりお酒の入っていた瓶だったりしたものだ。

ガイドさんは素人はよほど気に入ったものでないと高額のアンテイーク商品に手は出さない方がいいと言った。

蚤の市で自分の気に入った物を値切って買うのが楽しいんですよと教えてくれた。

友人と二人でさもあらんと納得した。

そんな風に寄港地の観光もショッピングも友人と二人でしっかりと楽しんだ。

帰ったらデイスクにまとめようと思って写真もたくさん撮った。

毎日何を食べようかと迷う日々で、朝昼晩何を食べてもお金はかからない。

アルコールも飲み放題でお酒に興味のない加奈子もカクテルをバーテンダーに作ってもらって、毎日違ったカクテルを一杯づつ楽しんでいた。

こんな天国のような生活を船上で八日間ほど楽しんでまたベニスに戻って一泊して帰国した。

本当に命の洗濯をしたような楽しい日々だった。

帰国してからも友人と何度もあって写真を見せ合ったり、楽しかった思い出を語り合ったりしてその後も十分に楽しませてもらった。

旅行に行く前と帰ってからも、二カ月近く楽しんだと思う。

そう思うと安い旅行だったと友人と二人で結論付けた。