71歳の恋愛小説家

このところは、もう一つのコンテストに出すために前に書いた物を見直して書き直している所だ。

友人たちとランチに出かけたり、麻雀仲間に入れて貰ったり、一人旅を楽しんだり夫を亡くして三年今の生活を気に入っている。

夫の三回忌を終えて年が明けた一月末のある日の朝早く長女からラインが入った。

相談したい事があるのでマンションに行ってもいいかという内容の連絡が来た。

やはり来たかと思ったが、いつでもいいと言うと今日の午後から行くと言った。

やけに急だなと思いながら、近くのショッピングモールに行って美味しいケーキを買ってきた。

お気に入りのケーキ屋さんが入っているのだ。

ここのモンブランがお気に入りなのだ、一番下はメレンゲになっていてその上にそんなに甘くない生クリームと栗のクリームが乗っているのだ。

少し大きめのそのケーキは一個食べるとお腹がいっぱいになる。

それを裕子の分と二個買ってきた。

甘くておいしい物は人の思考を少しは和らげてくれるはずだと思う。

長女の心の癒しになればと願って買ってきた。

長女の裕子は、サングラスにマスクをしてやってきた。

うん?と思ったが、まあ風邪の時期でもあるしまだ病院などではマスクは必修になっているが…

「美味しいケーキ屋が近くにあるので、買って来たのよ。座って食べよう」

そう言って紅茶でいいかと聞くと、それでいいと言ったので、お気に入りのマグカップにたっぷりと紅茶をいれて、ケーキと一緒に出した。

マスクとサングラススを取った裕子の顔を見て固まった。

「どうしたの?その顔、どこかでこけて打ったとかじゃないわね」

「うん、涼介に殴られた」

「どういう事、夫婦喧嘩それともDV受けてるの?」

そう言うと裕子は何も言わなかった。

加奈子は裕子を立たせると上着をめくってお腹や背中を確認した。

そこには黒く変色した打ち身の跡やまだ赤く何かで突かれたような傷が生々しく残っていた。

加奈子は絶句した。