一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】


突然のことに驚き、構えていた腕を全力でブンブンと顔の前で左右に動かし否定する。

「……うへっ?!そ、そんなわけないじゃんっ!」

「こりゃシルヴィオも動揺するわけだな」

焦りだす私をよそに、スっと顔を引いた魔法使いさんは、妙に納得した顔をしていた。

えぇ?!王子様がなんなのっ?!
バ、バレてないよねっ?!
ど、どう反応すれば?!

すると、慌てる私にさほど興味が無いようで、突然腕を差し出してきた。

「部屋どこだよ」

「えっ……?」

ば、バレて……ない?!よかったぁあぁ……!!
それよりも、その腕はなんですか?

魔法使いさんを見上げると、いつも通り面倒くさそうな顔をしていて、自分の腕に視線をやりぶっきらぼうに口を開く。

「さっさと掴めよ、送ってやるって言ってんの」

「え?!もしかして魔法で?!やったぁぁあ……っあ……部屋どこだったかな……」

テンションが上がったものの、部屋がどこら辺だったのか全く思い出せない。

そんな私を見た魔法使いさんは、これでもかと目を見開いていた。

「はぁ?!てめぇ本当に大バカだなぁ?!俺がいなかったら帰りどうするつもりだったんだよ?!」

「え?それはその時ちゃんと考えてたよ?人生は行き当たりバッタリだからねぇ~!!」

得意げにニッコリと笑うと、魔法使いさんは大きな舌打ちをする。