流れ星を追いかけていると、突然後ろから腕をグイッと掴まれる。
「わっ!!おっとっと!」
いきなりのことにバランスを崩して倒れそうになる私を、魔法使いさんがそのまま力強く、ぐっと抱き起こすように持ち上げてくれた。
お陰様でなんとか転ぶのを回避する。
「……うはー……危なかった……」
胸を撫で下ろす私に、頭上から相変わらず意地悪な言葉が降ってくる。
「どんくさっ」
「今のは魔法使いさんのせーだよっ!」
むすっと思いっきり振り返ったけれど──月の光に照らされた顔は、驚くほどスッキリとした表情をしていた。
心の重荷が取れたような、そんな顔。
「へいへい」と適当な返事をする割に、彼の綺麗な顔は微かに笑っていた。
いつもの無愛想な顔ではなくて、綺麗なレッドアイがどこか満足気に、優しく細められてるようなそんな感じ。
わぁー、珍しく仏頂面じゃない。
そう言えば、さっきなんの話してたんだっけ。解決したんだっけな?
一瞬考えてみたけれど、魔法使いさんの顔を見てたどり着いた答えは一つ。
まぁ……スッキリしてるならいいよね!
うんうん!元気が一番っ!
心の中で一人納得していると、「おら、そろそろ帰っぞ」と魔法使いさんは、無情にも帰宅を促してきたのだ。



