「ねぇ魔法使いさん、人はみんな暗い中にいたらきっと不安だよ?怖いよ?」
「……あ?」
「だからね、街中を魔法使いさんが、パーッと点灯させた瞬間、みんなはきっと笑顔になってると思うんだよね〜!!僕みたいにねっ!」
街の中が一気に光りだし、メルティアーナが夜の姿に変わった瞬間を思い出し、私は自然と表情が緩んでいく。
「これって幸せが届いたってことじゃない?メルティアーナに幸せが広がっていってたよ〜!あ〜っ!あの瞬間を思い出すだけで幸せ〜っ!!」
ほっぺたに手を添えると、さらにゆるゆると表情が緩んでしまう。
そんな私を見つめる魔法使いさんは、さっきまでの無表情から驚きの表情に変わっていた。
「ほら、僕はもう幸せになっちゃった〜!」
と、ヘラりと幸せに笑っているとふいに目がパチッと合う。
その瞬間、なぜだかパッと視線を逸らしてしまった魔法使いさん。
「……バ、バカなんじゃねぇーのっ!」
「えぇ?!本当のことなのに!!ひどいっ!!」
まったく視線が合わなくなってしまった魔法使いさんは、そのまま黙り込んでしまった。



