一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】


そんなことを気にしない私は、綺麗にライトアップされた街の中を再び見つめる。

本当に綺麗……!

魔法の光だからなのかな……一般的な街灯の色ではなくて、オーロラのように色鮮やかに光っていた。

夜のメルティアーナはとても神秘的で、「魔法の国にきた!」って感じがする。

街の中一つ一つに視線をズラしていくと、奥に広がる海なんて街灯の光と月の光が反射していて、キラキラゆらゆらしている。

こんな素敵な魔法が使える彼は天才だ!!


夜景を食い入るように見つめていると、魔法使いさんの小さな呟きが夜風と共に耳に届く。

「……みんなを幸せにする魔法、ねぇ……」

感情の籠もっていないような声に振り返ると、相変わらず気だるげに街をぼんやりと見つめている魔法使いさん。

「違うの?」

風でふわっと揺れる自分の髪の毛を押さえながら、彼に近寄っていく。

彼は綺麗なレッドアイを伏せると静かに呟いた。

「……さぁな」