──コンコンッ
日が傾き始めた頃に、部屋をノックする音が響く。
「はいはぁ~い」
私が応じようとソファから立ち上がると、ギル様に手首を掴まれて元の場所に戻される。
「俺が出るからお前は座っていろ」
「え……でも私従者として来てるし……ギル様が出たら不思議がられません?」
私と入れ替わるように立ち上がるギル様を見つめると、意地悪に笑った。
「変に思うやつには思わせとけばいいだろう?別に構わない、なんとでも言いようはあるからな」
私はすぐ動揺しちゃってギル様みたいに言いくるめることなんて出来ないけれど、ギル様には簡単に出来ちゃうんだろうなぁ~。
なんて考えている間に、ギル様は扉の方に向かってしまった。
その様子をソファでお茶を飲みながら覗いていると、一言、二言何か言葉を交わすと、すぐに話が着いたようで、ギル様は扉を閉じると部屋に戻ってくるなり紺色の上質な上着を羽織る。
何かあったのかな?



