一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】


一方、ギルとリオは客人用の部屋で過ごしていた。


「ギールさまっ!!」

部屋に入るなり真剣になにかの書類に目を通している、ギル様に近寄る。

「……ん?なんだ?」

「お茶淹れましょーか?」

青い瞳を書類から私に移すギル様が、疑いの目で見てくる。

「お前にお茶……?」

そんな疑いの目は気にせずに、ソファに座るギル様にぐぐっと近寄り、目を輝かせる。

「私もやっぱりギル様の婚約者じゃないですか?!」

「……そうだな……それが?」

「じ、つ、は……練習したんですっ!うふふっ!」

黙り込み、本当か?と言うような疑いの目で見てくるギル様を無視して、私は部屋の扉へと走り出した。

「厨房に行ってきまぁぁす!」

声をかけてドアノブに手をかけようとした、その時。

「待て」

低い声に制されて慌てて振り返ると、ギル様が呆れた顔でこちらを見ていた。

「本当に落ち着きがないな……この部屋でお茶は淹れられるぞ?」