そして、言いたいことだけ言うと、さっさと踵を返して歩き去っていく自由なクロム。
誰がどう見ても側近には見えないのであった。
「ちょっと待ってよ!仮にも僕は第一王子なんだけど?クロムは口の利き方を、もうすこしどうにかしたらどうだい?」
「はいはい、王子様」
二人で王座の間を出て廊下を歩く中、シルヴィオが隣を歩くクロムのある一点を見つめる。
「……その指輪はなんだい?そんなのつけてたかい……?」
「あ?……あぁ……友達の証──だったか?」
クロムは片手を頭上に上げると、人差し指に嵌められたルビーの指輪を廊下のシャンデリアの光にかざす。
「友達……?クロムに?……嘘でしょ?!」
「……さぁな」
そんな静かな会話が、王城の廊下で繰り広げられていたのだった。



